ダンシング・セブンティーン

昔中古レコード店でアルバイトしている知人からB級GSのいっぱい詰まったカセットテープを録音してもらった事がある。
その人は色々なジャンルに詳しかったようだが、GSもその中の一つだったらしい。
僕は世代的にもそうだけれど、その辺りの世界の面白さを知らなかったので「こんな妙な音楽がたくさんあって良いのか!?」と。
しばらく楽しませていただきました。
最近はカセット・デッキすら(あるんですが)稼働していない状況なのでその存在すら忘れていたんですが、ひょいと棚の物をどけるとそのカセットのうちの数本があり、「おーなつかしい」と眺めていました。

ダイナマイツやらタックスマンやらアウト・キャストやらなんやら・・・
で、中にオックスもあってひさびさに聴いてみると

なーんかへん。でもみょーに楽しい感じ。

シングル4枚目ぐらいで、このバンドのイメージ・リーダー赤松愛失踪。
失踪?んなわけない。
でもまぁいいか。
その後ロンドンへ飛んだ(実際しばらく住んでたらしい)その理由は「ジョン・レノンの弟子になる」と言ったとか言わないとか・・・
この方は今は大阪の方で立派に家業の経営者としてがんばっているらしい。やるな愛ちゃん。
ボーカルの野口ヒデトは後の真木ひでとですね。改名後はムード歌謡っぽい唄や演歌でヒットがあったね。
後の俳優夏夕介が赤松脱退後のキーボード奏者でした。


しかし何と言ってもこのバンドの特徴は


失神


です。
当時の赤松愛曰く
「みなさんこんにちは、オックスです。オックスの愛です。失神のことですが、あれは僕たちが思いっきり唄ってて、思いっきりハートをこめてやってるから、失神じゃなくて陶酔だと思うんです。でもあれいろいろ演技だって言われますけど、でも僕ら思いきりやっててなるんですから・・・・」との弁。
当時の野口ヒデト曰く
「最後は計算外なんですよ、倒れる、倒れないのは、僕等は。途中までは、やっぱり演出なんです・・・・・でもそこからはもう、僕と愛くんとのステージ上の戦いで、プラスαが・・・でも来るファンの人はもう、オックスを見たら、イコール失神って思ってるから・・・・」(一部省略))との弁。
でも僕はこの二人そろった演奏シーンとかちゃんと見た事無いんだけど。
当時の熱狂ぶりを伝える映像的なので倒れ込むシーンを見た事はある。
あと和田アキ子の映画に出てた。でももう後期オックスだったな。
たぶん詳しい人は登場映像について押さえている事でしょうが、僕は特別は(笑)。
最近の映画『パッチギ』にも時代背景として曲が使用されているとか。


ちなみに赤松愛はおかっぱくんです。
これは2枚目のシングルです。売り上げ的には最初の「ガール・フレンド」とか3枚目の「スワンの涙」の方がよく売れたらしい。
たしかにこの曲はなんかやっつけっぽい。2分少々だし。
でも、なんか僕はオックスっていうとこの曲なんだよなぁ思い出すの。
いいかげんな感じがいいのかも。
最初のシングルもB面の「花の指環」のへんてこなコーラスとか(ウオッホ・ホ・ホとか言ってる。なんで?)
妙に印象深い。
3枚目のシングルもB面の「オックス・クライ」(なんちゅうタイトルだ)のが強力だ。
あ、こうして考えるとなかなか味わい深いバンドかも。