ちあきなおみ

この人の歌っている所を見た事の無い人ももう大勢いるだろうなぁ。たしか旦那さんが亡くなったのを機に芸能活動一切やめちゃったからね。
「四つのお願い」がヒットしたのは大阪万博くらいの時。その2年後に「喝采」でレコ大とる事になる。この曲に関しては、当時よく「実話なんだって」とか「ちあきなおみがつきあってた人は死んじゃったらしいよ」とか言ってたようだが全て事務所側のツリだったようだ。その後コロッケを始めとした物まね芸人たちに広く顔真似される事となる(キャラだねこの人も)ので、むしろその顔しか見た事が無い人もいたかもね。
昭和53年に結婚しているので、その頃からテレビの歌う事が極端に減る事になるが、女優としてドラマに出たり「タンスにゴン」のCMに出演したりしてますます(感がいいと言うか、笑いのセンスもあったね)わけわからん才能ぶりを発揮していたけれど、先の活動停止が平成4年だから、もう十数年歌ってないね。もったいない。
キャンプまわりで鍛えた歌唱力は本物ですから、アルバムには演歌に混じってジャズやシャンソンなんかもやってますね。ひばりさんもそうだけど歌謡曲を歌っているからって他のタイプが歌えない訳じゃないし、むしろ本人的にはどっちの姿が本当ってことは無いんでしょうね。ちなみにジャケ写。

後半で言うと「黄昏のビギン」なんかが有名ですが、むかーしたしか「アウディ」のCMにもこの人の曲使われてましたね?最初聴いてすぐに「ちあきなおみだ。」って気づきましたが曲名は後に知りました。「星影の小径」作曲は利根一郎氏(1950年作)。CMにはこの曲のイントロ部分が使われていて、ちあきのアカペラがオーバーダブされ強烈に美しい印象です。利根氏は「星の流れに」を作った作曲家ですから、流れ的には「あーまさしく」という曲調ですね。「星の流れに」自体も敗戦後の日本で引揚者だった女性の転落人生の過程(新聞の投書)を読んだ新進作曲家利根一郎と、作詞家の清水みのるが怒りから夜を徹して書き上げた物だそうです。レコード自体は最初売れなかったらしいが、いわゆる「ヤミの女」たちに口ずさまれるようになり、次第に広がったそうだ。
昔は歌謡は世相を映す鏡だった。今もある意味ではそうだと思うが歌われるのは自分本位の事ばかりに思えてならない。まわりを映し出す余裕など無いのは自分も同じかなぁ?なんかさみしい。