変化自在のポップ・サウンド

さて昔からのファンという方が多いんでしょうか?このバンド90年代はヴァージンとのいざこざからリリースをボイコットしてたせいで、92年に「ノンサッチ」とその後は99年に「アップル・ヴィーナス」を出したぐらいですから、熱心に遡って聞いてる人が今ではどれくらいいるんでしょう?パンク・ニューウエィブ以後に生き残る中でも最も重要なバンドの一つですし、マニアも多いので認知度はかなり高い方だとは思いますが。
僕もXTCの作品をリリースごとによく買っていましたが、好きなものもあまり好きでないものもあります。1st付近のはシングルはどれも良かったけどアルバム全部通してはあんまり聞かなかった。「Go 2」も買ったけどそんなに熱心に聴いてなかったなぁ。キーボードがポップな印象でしたがメンバー脱退。ギターサウンドでのちょっと変わったアンサンブルが出てくる3枚目から、ぐっと自分の中の”XTC”が出来上がりました。よく聴きましたよ「Drums and Wires」。

ジャケも好きだったので、よく壁にかけて飾ってました。シングルの「がんばれナイジェル」(B面は「ディス・イズ・ポップ」とかのライブでした。)以外のアルバム曲も充実で「テン・フィート・トール」や「アウトサイド・ワールド」をよく聴いてました。

さらに決定打になったのは次作の「Black Sea」です。緑の紙バッグに入ってました。リリースした国によってアウタースリーブの色や文字の有る無しなど違っていて楽しいです。とりあえず初期のヒット曲満載なので、聴いてみるといいと思います。余談ですがその昔日本独自で「ピック・ラベル」盤が出ていて、「リヴィング・スルー・アナザー・キューバ」のライブが収められていましたが、非常にテンションが高い演奏な上にメドレーで「ジェネラル・アンド・メジャーズ」に繋がっていくくだりがかっこ良くって、よく聴いてた事を思い出します。

正直パフォーマーとしての自分たちを考えた作品はこれが(「Black〜」が)最後かな。次のアルバムからはアコースティック・ギターの重要性やアレンジメントの複雑さも増してくる。と、同時にツアーも出たがらなくなってくる。あーもったいない。ライブもいいのにね。

               

このバンドはアートワークにも凝っていたのでジャケも特殊コーティングものや変形ジャケも多く、シングルも同様だったので音だけでなく目で見ても楽しめるものが多く、やはりアナログサイズはいいとついつい懐古趣味的な事を言ってみたくなります。中古のショップなんかで見かけると思うけど、お部屋や店舗の飾りとしても充分使えます。
アップル・ビーナスもきれいなコーテイングだった。好きだねぇ、アンディ。
ご本人たちは自らを「レコード・メーカー」だと自覚しているし、作品は「アート」だと考えているから、でしょうね。最近はこうしたアーティステックな人たちの次回作を待ってるのも苦じゃなくなってきた。気が長くなってきたんだろうな〜。自分も年をとってるなって思う瞬間でもあります(笑)。

変名バンドはまたいずれかの機会に。