ザ・ギタリスト

ジャズ界のみならずあらゆるギター演奏家に影響力をもった天才ジプシー。14歳の時には初レコーディングというこの人の有名なエピソードとして、キャラバンが火事に遭い左半身に大やけどを負ってしまい、左手の小指と薬指が
生涯自由に動かせなくなった事が挙げられるますが、ものすごい事に彼は障害を持ってなお全く独自の奏法(!)を生み出してカムバックを果たし、なおかつ後にフランスでのジャズ・ブームを起こすほどの全盛期を迎えたという正しく伝説のギタリストです。ってわざわざ力説せんでも超有名人なのでネ。特にギターやってりゃ一度は聴いた事があるでしょうか。
かつてこれまたジャンゴのファンである”ジェフ・ベック”がフランスでのライブの模様を収めたフィルムを(20分くらいとか..)オークションで手に入れて、その奏法を分析してみようとしたらしいが、画質が悪い事も手伝ってでしょうが「いったいどうやって弾いているのか全くわからなかった!」といっていた事から、想像すら出来ないが、よく言われているのは「クロス・フィンガリング」とか言うやつは「人差し指があるポジションを押さえたまま、次にそのポジションより低いフレットを弾く場合、中指が人差し指の上を交差していくもの」(ステファン・グラッペリ-長年一緒にやってたバイオリニスト-談)という全くありえん、というか自宅にギターがある人は試していただきたいが...できません(笑)。一瞬だけ飛び越す事は出来るが、それを組み合わせてあの素早くて分厚いフレーズを構築するなんて!しかもこの人怪我して1年リハビリしてその2年後には実際完全復帰してる事を考えると、わずか2年弱の間でこの奏法その他(コードの押さえ方も全く独自。というかこの人は読符できないのももちろん、コードネームすら理解できなかった。)を確立しているっていったいどんな人間なんだ?
僕は実は最初に聴いたのはもうおそらく1950年代が近くなってからのもので、エレキ持ってたものでした。そのときは「ふ〜ん」としか(中坊だしね)思わなかったんですが、後にその人となりを(年上の人から)聞いて、また戦前の音源なんかを聴くにつれてあっという間に自分の中の”ギター・ヒーロー”の仲間入りですよ。いい気なもんです。

ジャンゴロジー

ジャンゴロジー

とりあえず、有名どころから。でもこっちがおすすめかな↓
Paris & London 1937-19

Paris & London 1937-19

とりあえず古いけどいいマスタリングをし直しているので、そーゆう意味ではやっぱリマスターものってうれしい。アナログの良さってあるけど、古い音源や特に劣化しているマスターのブラッシュアップには、デジタル化はほんと効くから。
あ、僕はあのノスタルジックなビブラートが最高に好き。皆さんもそうでしょ?