Somthing else by the Kinks

まずは銀色のジャケットがたまらない。
発表時の1967年といえばサイケ大爆発中。
ビートルズのみならず名盤が多く発表された年でもあります。
しかし、このバンドのスタンスはやっぱりちょっとひねくれている様子。
ちょっとしたサイケ風ギミックも使ってはいるが、あくまで我を通すキンキーぶりが痛烈だす。
                 

アルバムを全体を通してレイジーな感じがたっぷりですが、どの曲もすごくよくできていて、しかも曲も無駄に長くないのであっという間に一枚聴き通す感じでした。実際彼らのアルバムはよく聴きましたが、僕にとってはそのきっかけになった最初のフェイバリットでした。

最近の再発CDはどれもお決まりのようにボーナストラックが入っているのはいいのですが、おかげで長尺になりすぎて、初めて聴く人にとっていい選択肢と言えるのかな?と考える事がよくあります。
この作品のCDもご多分に漏れず7〜8曲追加されている様子です(旧来のファンには逆にお得感があります)が、こうなるとアーチスト側のこのアルバムを作った最初の意図が見えづらいなぁと。
作品提供するアーチストらは、特にキンクスみたいなバンドは、絶対に曲間の秒数や曲順からして、ましてA面の最初とラストやB面の最初とラスト、それに至る過程を含め作り込んでいるのだから、そこにジャケットのアートワークまで含めて一つの作品として世の中に生み出したかった訳だから、別に「全部のリスナーがそうすべき」ことではないけれど、一度はオリジナルの状態で作品を味わってみてはいかがでしょうか?と妄想したりするのです。

一曲目の「デビット・ワッツ」は後にジャムもカバーしてましたが、とてもポップな作品です。リズムも良い。
七曲目の「シチュエイション・ヴェイカント」なんてもろ英国人っぽい。僕もすごく好きな曲です。
レイ・デイヴィスは本当に優秀なソングライターだ。私生活とバンドの内幕は悲惨だったようだが。
(オリジナルでは)最後の「ウオータールー・サンセット」の美しい終焉に至るまでのゆるやかな曲の流れもまた素晴らしい!うん。若いのによく出来たなぁおい。

このバンド実は70年代以降のアルバムもなかなか味わい深いものが多いのですがそれはまた別の機会に。
ASIN: B0002IJNMG