ストーンズがストーンズだったころ

前日からライブつながりで今日はこのアルバムを。


ストーンズに関しては90年代以降は聴かなくなってしまった。80年代のものも曲自体に好きなものは有るが、どうしても70年代までのストーンズのほうが、アルバム通して聴けるものが多い。僕は。

僕が最初にストーンズを聴き始めたときの最新作はすでに「ブラック・アンド・ブルー」だったので、いわゆる全盛期など知る由もないのだが(「ブラック〜」の音もかなり好きだ)、後追いで60年代まで遡りながら色々聴く事ととなっていく。

デビューして数年の彼らのライブ音源も発売されているが、「ガット・ライブ〜」をコレより先に買った僕は正直あまりの音の悪さとラフさにショックを受けました。
「よくねぇ。」
ただ、後に色んな生演奏場面をブートやなんかで見かけるうち、ブライアンはうまいなーと感心して見入ってましたが。もし近所に20歳そこそこであのスライドギターやハープやれる若者がいたら、やっぱりデビューしてるわ。間違いなく。


このアルバムは69年のツアーの様子を収めたもの。
彼らも60年代半ばからドラッグやメンバーの死去等で演奏活動が出来なかったので、まさに気合いの入った復活USツアーでもあったせいか、またブライアンの後釜として加入したミック・テイラーがまた強烈なせいか、ギター2本でブルーノート弾いてるだけなのに、ストーンズ独特の世界に引きずり込まれていく。
かなり粘っこいプレイの応酬なのだが、正直やってる事は全然ラフじゃない。
極めてシンプルなんだけど、タッチの一つ一つに息づかいを感じる様な・・・生々しい音です。
彼らのイメージは後にどんどんデフォルメされたものになって、ストーンズ自体もそれに応える形で「コード一発。」的な曲にしたり、あえて雑っぽさを演出したりしているが、ここでは極めて大まじめに3コードで盛り上げていく。
                

ロン・ウッドのギターの方が気っ風がいいが、テイラーの湿った感じがこの時期のストーンズには必要だ。
正直どれも好きな曲ばかり収められているのだが、「むなしき愛」でじっくりブルース堪能してから「ミッドナイト・ランブラー」の典型的な構成でこれまたハメラレる。ずるいわー、の並びにやられてみる。
後にもライブ音源が随分出てるし、ブートなんて考えたら聴ききれない程のライブが世の中に出回っているが、あえて僕はこのライブが一番好きだと断言する。
僕が一番ストーンズをかっこいいと思って聴いてた時期のものだから。

ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト

ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト